このサイトでは、Unreal EngineやUEFNの使い方やTipsを使ったことがない方にもわかるように基本的な使い方を説明しています。
この記事では、UEFN とは?ということを題材に、そもそもFortniteとは?というところから、Fortnite Creative、UEFN、Unreal Engineの違い、そしてUEFNで何ができるのかなどをフォートナイトをプレイしたことがない方でもわかるように順を追って紹介していきます!
長文の記事になってしまいましたが、この記事を読み終えたときには、Fortnite、UEFNの概要が理解できていると思います!
Fortnite とは?
UEFNやFortnite Creativeを紹介するのに、そもそものフォートナイトを知らずに紹介するのは難しいので、ここからご紹介します。
フォートナイトは、Epic Gamesが開発しているゲームです。
PC、Nintendo Switch、PS4、PS5、XBoxなどで無料で遊ぶことができます。
フォートナイト内には、下記の画像のように色々なゲームモードがあります。
1つのフォートナイトというゲーム中にたくさんのゲームが入っているイメージです。
(最初はごちゃごちゃしていて、何をすれば良いんだという感じでした笑)
代表的なものが100人の中から1人になるまで生き残るバトルロイヤルです。
バトルロイヤルとしては、PUBGや荒野行動が有名ですが、フォートナイトは「建築」という要素を加えることで爆発的にヒットしました。
生き残るのと同時に壁や建物を建てて、身を守ったり、拠点を作ったりします。
どのくらいヒットしているかと言うと、5億人以上のユーザーがいると2023年3月のイベントで発表しています。
さらに2023年11月には、月間プレイヤー数が1億人という新記録も達成しています!
昨今少し低迷気味だったフォートナイトですが、2023年には大きく盛り返し、新記録を達成するほど盛り上がっています。
課金要素としては、「スキン」という見た目を変えるもののみです。
オリジナルのスキンはもちろん、海外ではディズニーやマーベル、スターウォーズ、日本ではドラゴンボールや進撃の巨人、ナルトなど多くのIPとコラボしたスキンが出ています。
そのキャラクターになってフォートナイトの世界でゲームができるというのが人気の理由の1つです。
フォートナイトは課金をしても強い武器が手に入ったりなど、強さに関わるものはありません。
にも拘わらず、すごい金額を売り上げています。
非上場企業なので、公式として定期的に売上などの数値が発表されることはありませんが、いくつか公開されている情報があります。
2022年3月20日から4月3日のフォートナイトの収益全てをウクライナへの人道支援に充てることを行い、結果的にその額は2週間で177億円にも上りました(詳しくはこちら)。
過去のデータでは、2018年には約6561億円、2019年には約4420億円という数値も公開さています。
期間限定で実際に存在するフェラーリが登場したり、米津玄師がライブを行ったりというイベントも行っています。
話は少し戻りますが、フォートナイトには様々なゲームモードがあると紹介しました。
今年の12月には新たにレゴとコラボレーションしたレゴ フォートナイト、レースゲームのロケットレーシング、音ゲーのフェスティバルがリリースされ、より盛り上がりを見せています。
このように1つのプラットフォーム上で様々なゲーム、世界に入れることからメタバースとも言われています。
というよりEpic Gamesの社長がそう言っています。
このゲームモードは、ユーザーが作成することもできます。
その作成できるモードが「Fortnite Creative」であり、作成ツールが「UEFN」です。
詳しく紹介していきます。
Fortnite Creative とは?
フォートナイト クリエイティブは、自分でゲームを作ることができるモードです。
バトルロイヤルなど数あるゲームモードの中の1つとして提供しています。
フォートナイトには何百、何千というゲームモードがあります(公表されていないので正確な数はわかりませんが)。
これがプラットフォームと呼ばれる理由の1つでもあります。
バトルロイヤルやレゴ フォートナイトなどEpic Games自体が作成しているモードは、20個にも満たない数です。
実際にフォートナイトで遊ぶとの同じ操作感で独自のゲームを作ることができます。
このゲームを作ることを「島を作る」と言ったりもします。
必ずしもゲームにしないといけないわけではなく、ゲーム性のないものも公開可能です。
使用できる建物などのオブジェクトやアイテムなどがあり、それらを使用して、独自の島を作ることができます。
様々な機能をもった「仕掛け」と言うものが用意されており、プログラミングなしでゲームを作成できます。
ゲームモードの1つなので複数人で同時に作業することも可能ですし、フォートナイトが起動できるプラットフォームであれば、どのデバイスからでも可能です。
しかし、フォートナイトクリエイティブでは、既に用意されているもののみしか使用できません。
自身で作成した3Dモデルやテクスチャなどを使用することはできません。
それらの3Dモデルなどのインポートが可能になり、より自由度が増したのが、Unreal Editor for Fortnite(略して、UEFN)です。
UEFN とは?
UEFNは、Unreal Editor for Fortniteの略です。
簡潔に言うと、先ほどの島の作成をUnreal Engineで行えるようになったものです。
2023年3月にベータ版で提供が開始されました。
Unreal Engineがどういうものかというのは、こちらをご覧ください。
この先の内容は、Unreal Engineでの固有名詞(機能名など)がでてきますので、まずはこちらをご覧いただくと理解しやすいと思います。
Unreal Engineで島の作成を行えるようになり、より自由度が増し、よりクリエイティブな島を作れるようになりました。
正確にはUnreal Engineそのものというよりは、Unreal Editor for Fortniteという別のソフトをインストールして使用します。
操作感は、Unreal Engineを同じですが、使用できる機能などに違いがあります。
まずは、従来のクリエイティブモードと比較して何ができるようになったかをご紹介します。
クリエイティブモード との違い
まず利用できるプラットフォームとしては、現在はPCのみとなっています。
クリエイティブモードとは異なり、PS5やSwitchでは利用できません。
できることとしては、クリエイティブモードでできることはほぼ全て可能です。
それに加えて、大きな点としては以下のことが可能です。
- 3Dモデルやアニメーション、テクスチャなどのインポート
- Unreal Engineの一部の機能の利用
- Verse
この3つについてもう少し詳しくご紹介します。
3Dモデルやアニメーション、テクスチャなどのインポート
前述の通り、クリエイティブモードでは自身で用意した3Dモデルやテクスチャ、アニメーションなどの外部ファイルを読み込むことができませんでした。
しかし、UEFNではFBXやjpg、pngなどのファイルをインポートして、使用することができます。
今までは準備されたモデルで創意工夫するしかありませんでしたが、モデルをインポートして、完全に独自の島を作ることができます。
アニメーションをインポートしたり、UEFN内で作成したりして、再生することも可能です。
Unreal Engineの機能の利用できるがゆえにUnreal Engineと同様にインポートが可能になっています。
Unreal Engineの一部の機能の利用
Unreal Editor for Fortnite では名前の通りUnreal Engineのエディタ(ソフト)を使用しているので、Unreal Engineに備わっている機能を使用できます。
しかし、先述の通り純粋なUnreal EngineとUEFNは別のソフトとして提供されています。
そして、純粋なUnreal Engineと同等の機能が使えるわけではなく、いくつかの機能に制限されています。
それでも従来のクリエイティブと比べると、できることは圧倒的に増えています。
利用できるメジャー機能を挙げると…
- Nanite、Lumen(自動で使用される)
- マテリアルの作成
- ライト
- Niagara(パーティクル)
- シーケンス、Control Rig = アニメーションの作成
- ランドスケープ
- フォリッジ
- モデリングツール
- ウィジェット
- World Partition(自動で使用される)
すべてではありませんがこのような機能を使用できます。
メジャー機能は概ね使用できます。
しかし、Unreal Engineの代表機能であるブループリントは使用できません。
その代わりにプログラミング機能としてVerseを使用できます。
Verse
「Verse」はフォートナイト独自(現状)のプログラミング言語です。
従来のクリエイティブでは、仕掛けを使用してゲームの仕組みを作成できました。
逆言うと、仕掛けでできることしかできませんでした。
しかし、Verseを使用することで仕掛けにはない機能や仕組みを自身で作成することができます。
正直なところVerseを利用しても、できないこと、制限されていることはあります。
ただ、今後もVerseの開発は進めらているので、できることはどんどん増えていくでしょう。
将来的にはUnreal Engineでも使用できるようになるようです。
UEFN と UE5 の違い
前述の通りUEFNとUnreal Engineは別であり、純粋なUnreal Engineと同等の機能が使えるわけではありません。
純粋なUnreal Engineは、ゲームエンジンであり、ゲーム開発で役立つ多くの機能が搭載されていますし、映像制作などのゲーム以外の用途での利用も可能です。
UE5ではできて、UEFN でできないこと
一部ですが、以下のようなことができません。
- プラグインの利用
- マーケットプレイスのアセットをUEFNに直接インポート
- 独自のツールの作成、エディタの改造
- 特定の機能の無効化
- その他もろもろの機能
マーケットプレイスのアセットを利用する場合は一度、UE5にインポートしてからUEFNに持っていく必要があります。
UE5からUEFNにデータを持っていくことはできますが、UEFN→UE5はできません。
NaniteやLumen、World Partitionなどの機能は、UE5では任意で使用できますが、UEFNでは自動でオンになっており、オフにすることはできません。
UEFNは、(当たり前ではありますが)Fortniteの島に最適な形になるように設計されており、初心者でもUE5に比べて扱いやすいです。
UE5と比べたUEFNの利点
大きな点としてはRevision Controlを無料で利用できる点です。
少し専門的な言葉、内容なので、かみ砕いて説明します。
Unreal Engine問わず、コンテンツ制作を複数人で行う場合はデータの共有が必要になります。
しかし、作業ごとにGoogleドライブなどに上げていたら大変です。
また、サーバーにUnreal Engineのプロジェクトを置いて、複数人で同時に同じプロジェクトを開くことは推奨されていません。
そこで通常は、バージョン管理ツール(Revision Control)を使用します。
代表的なのがgitやSubversion、Perforceなどです。
これらは無料でも利用できますが、業務レベルではサーバー代やサービス代などの料金が発生します。
Unreal Engineないし、ゲームエンジンでは、これらのツールの契約、設定、運用を自身で行う必要があります。
そして、Revision Controlの利用はそれなりに知見が必要になります。
しかし、UEFNではこれのツールの利用なしにRevision Controlを使用することができます。
しかも無料です!
もちろんgitやPerforceなどに比べるとできることはかなり限られますが、プロジェクトを共有するという意味では十分です。
UEFNでは、機能として完全に溶け込んでおり、初心者でも意識せずに利用できるようになっています。
そのため、意識して使用していない方もいるかと思いますが、とてもありがたいことなんです!
UEFNでの収益化
公開した島には条件に基づいて配当が与えられます。
つまりお金がもらえます!
一定の登録を行い、作成した島を公開することで収益を得ることができます。
UEFNの発表と同時にクリエイター エコノミー 2.0というのも発表されました。
これが収益化の仕組みに関するものです。
上記の画像のようにフォートナイトの純収入の40%が島の配当に割り当てられています。
配当の割り振りの詳しい条件は公開されていませんが、YouTubeなどと同じようにたくさんその島に訪れてもらい、遊んでもらえるほど配当は増えてきます。
なので、人気な島ほど配当が高くなりやすいです。
人気のある島、つまりそれを作ったクリエイターは、1億円以上稼いでいるとも言われています。
遊びで楽しいものを作って、稼げる時代なのです。
企業の利用
昨今メタバースというワードが流行っているのと同時に、フォートナイトが5億人以上のユーザーを持つプラットフォームということもあり、企業がマーケティングなどの一環として利用することも増えてきています。
日本での有名な事例としては日産かと思います。
モビリティショーの企画の一環として、コンセンプトカーを紹介するゲームとして島を公開しました。
三菱地所も丸ビルと丸の内の空間を体験できる4D Marunouchiを公開しています。
通常、メタバースを作成しようとするとコンテンツ制作だけではなく、プラットフォームの作成やサーバーの契約、管理、それらができる(バックエンド)エンジニアが必要になります。
既にフォートナイトが無料で利用できるプラットフォームと化しているので、サーバーの負担、運用、管理なしにメタバースを無料で作成できます。
維持管理コストがないのはとても大きいですよね。
大抵の企業独自のメタバースは、上記のような出費に加えて、集客などができずに失敗に終わっているかと思います(実際の数値はわかりませんが、私はそう感じます)
フォートナイトは既に出来上がっているプラットフォーム+国内外に膨大なユーザーを持つということで企業が利用するのも納得ができます。
特定のプラットフォーム、ツールに依存するのはリスクがありますが、独自のメタバースだとしてもAWSなどの企業のサーバーを利用するで、結局は同じかなと思います笑
まとめ
Fortnite、そしてUEFNとは何かというのは紹介しました。
Fortniteは5億人以上のユーザーを持つゲーム、プラットフォームであり、最近ではより盛り上がりをみせています。
多くのIPなどともコラボしています。
Unreal Editor for Fortnite(UEFN)では、フォートナイト上の島(ゲーム)を作ることができます。
従来、フォートナイト クリエイティブではできることにかなり限りがありましたが、UEFNでUnreal Editorを使用できるようになり、できることが一気に増えました。
より独自性の持った島が増えており、企業も利用し始めています。
また、Fortnite Creative、UEFNで作成した島は収益化することができ、、人気の島では多くの収益が発生しています(夢がありますね…!)
UEFNの概要を概ね理解できたのではないでしょうか?
わかりづらい部分があれば、ぜひコメントでお知らせください!
百聞は一見に如かずなので、まずはフォートナイト、UEFNをインストールして触ってみてはいかがでしょうか!
インストール方法はこちらで解説しています。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!
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