UE5がリリースされ、映像制作での利用もより注目を浴びるようになりました。
一時期話題になったUE5で制作された「越中大門駅」の映像など現実と見分けがつかないような映像も増えています。
この記事では、Unreal Engineで映像制作をするときに役立つウェブサイトやブログ記事、講演、スライド、サンプルファイルなどをジャンルごとにご紹介します。
映像制作云々の前に「そもそもUE5を使ったことがない…」「そもそもUE5が何かわからん」
という方は使い方やチュートリアルを紹介している記事もありますので、そちらも併せてご覧ください。
- 映像制作全般
- Technical Guide To Linear Content Creation【ウェブページ】
- 映像制作での Unreal Engine 活用のはじめ | ACTF2022 in TAAF【講演】
- 初心者向け UE4 映像制作での シーケンサー と Movie Render Queue の使い方【講演】
- UE4を使った映像制作 (UE4 Character Art Dive Online)【講演】
- 映像制作のためのUnreal Engine入門講座【雑誌】
- CGWORLD vol. 288(2022年8月号)【雑誌】
- シネマティックプロダクションとは?~リアルタイムエンジンによる映像制作の新しいワークフロー~【講演】
- アニメ
- フォトリアル・実写
- サンプルプロジェクト
- まとめ
映像制作全般
映像制作と言ってもセルルックや実写など幅広いですが、まずはジャンル関係なく役立つ内容のものやとりあえず見ておいた方がよいものをご紹介します。
Technical Guide To Linear Content Creation【ウェブページ】
英語ですが、Epicが提供している映像向けの学習コンテンツ(英語)のまとめ記事です。
Unreal Engineでのパイプラインの構築からレンダリング、コンポジットまでの0から最終工程までの情報がまとめられています。
プロデューサー、スーパーバイザー、技術者、アーティストなど様々な職種向けに作られています。
かなりボリューミーですが、一通り見れば、アンリアルエンジンでの映像制作がどういうものなのかを一通り理解できるかと思います。
映像制作での Unreal Engine 活用のはじめ | ACTF2022 in TAAF【講演】
Unreal Engine が映像制作に使われる理由や強み、プリレンダリングでのワークフローとの比較などをEpic Gamesの方がお話されています。
どういった強みがあるかというのは、UEの使用を迷っている方にはおすすめです。
ワークフローの図の順番にどういった機能を使うのかというのが解説されており、アンリアルエンジンでの映像制作をざっくり学ぶのに役立ちます。
後半では、アーティストの職種別に学習コンテンツも紹介されています。
初心者向け UE4 映像制作での シーケンサー と Movie Render Queue の使い方【講演】
こちらの講演では、映像制作で使用する機能の使い方が解説されています。
シーケンサーは、映像関連では必須の機能です。
タイムライン機能を持ち、DCCツールなど度同様にキーフレームアニメーションを作成したりタイムラインに沿った様々なことを行えます。
Movie Render Queueは、作成した映像を連番画像で書き出すための機能です。
ただ書き出すだけではなく、アンチエイジングや高解像度でのレンダリングなどの機能も付いています。
映像制作で必要なその2つの機能が大変わかりやすく、くまなく解説されています。
UE4のときのものになりますが、UE5でもそのまま役立ちます。
UE4を使った映像制作 (UE4 Character Art Dive Online)【講演】
実際の映像事例を元にキャラクターのモデリング、リギングからマテリアル、アニメーション、ポストプロセス、レンダリングという映像制作の一通りの流れが解説されています。
キャラクターアニメーションを主軸においた作品のようなので、アニメーション部分は特に参考になります。
若干、UE5でContorl Rigが発展してきて、ワークフローが変わりつつある部分もありますが、アニメーションの準備の仕方やインポート方法などは今でも役立ちます。
アニメーション周りに関しては、こちらの記事もよろしければご覧ください。
映像制作のためのUnreal Engine入門講座【雑誌】
ビデオサロン 2022年2月号では「映像制作のためのUnreal Engine入門講座」という特集が組まれています。
バーチャルワールドの作り方というちょっとしたアンリアルエンジンの使い方や様々な事例やそのメイキングが紹介されています。
In-Camera VFXを使用した実写やキズナアイのライブの舞台裏など幅広いです。
CGWORLD vol. 288(2022年8月号)【雑誌】
CGWORLD (シージーワールド) 2022年 8月号 vol.288 (特集:Unreal Engine 5とつくる未来)
こちらは映像に特化したものではありませんが、UE5について特集で組まれています。
UE5の新機能やサンプルについてや作品制作や検証にUE5を使ってみた結果や所感が述べられています。
単純に記事として面白く、映像制作にも役立つ内容です。
個人的にCASE02のKhakiさんの記事が特に面白かったですし、勉強になりました。
HoudiniのSideFXが制作したデモのProject Titanの解説記事もあります。
シネマティックプロダクションとは?~リアルタイムエンジンによる映像制作の新しいワークフロー~【講演】
Unreal Engineを使って映像制作を行っているSAFEHOUSEの講演です。
どういったワークフローで映像制作をしているかやMayaからアンリアルエンジンにモデルを持っていくときのポイントなどが解説されています。
特に背景制作のポイントは非常に勉強になります。
アニメ
続いてセルルックや2Dなどのアニメ系(フォトリアルではないもの)についての情報です。
リアル系=Unreal Engine、セルルック=Unityというイメージがありますが、日本語での情報だと意外とセルルック系の講演などが多くあります。
セルルック系だといかに2Dらしさを出すかと言うことが重要になってくると思うので、そういったルック周りを解説している公園が多めです。
『ガールズ&パンツァー 最終章』第3話 アニメとゲームエンジンの融合【講演】
『ガールズ&パンツァー 最終章』第3話では、背景制作でUE4が使われているそうです。
その事例やメイキングが紹介されています。
アニメ作品にUE4を使う理由や普通に作ると重すぎる森をどのようにUE4で効率よく作ったのかなどが解説されています。
また、運用面なども紹介されていました。
「ノー・ガンズ・ライフ」における、UE4によるCGとセルアニメとの融合 【講演】
こちらも背景にUE4を使った事例のメイキングです。
アニメだとコンポジットなど色味の調整などは、After Effectsで行うことが多いイメージですが、この事例ではコンポジットまでUE4で行っていました。
劇場アニメ『HELLO WORLD』“一行瑠璃“ のUE4によるセルシェーダー構築フロー【講演】
セルシェーダーについて解説された講演です。
劇場版ではプリレンダリングで作成されていますが、それと見分けのつかないクオリティです。
その見た目をどのように作っていったかというのが詳しく解説されています。
また、Alembicの扱いについても解説されており、映像だと使う機会が多いので参考になります。
UE4 Manga Anime Illustration Dive Online【講演】
映像ではありませんが、2D調のルックを作りたい際に役立つ講演です。
「マンガで使う!初めての Unreal Engine」や「未経験者でもできる!UE4を活用した2Dカラーイラスト作成法」は、初心者にもわかりやすく解説されています。
フォトリアル・実写
フォトリアルなフルCG系やバーチャルプロダクションなどの実写系に関する情報です。
In-Camera VFXの情報が増えてきているように感じます。
Welcome To Virtual Production【記事&チュートリアル】
一番初めに紹介したものと同様にバーチャルプロダクションについての情報がまとめられています。
少し古いですがこちらでもバーチャルプロダクションに役立つオンラインラーニングなどがまとめられています。
講演 – Virtual Production Deep Dive 2023
インカメラVFXに特化したリアルイベントで、講演のアーカイブが公開されています。
海外のバーチャルプロダクションのスタジオの紹介やスタジオの運営、実作品のメイキングなど様々な角度からバーチャルプロダクションに関する情報を知ることが出来ます。
書籍 – バーチャルプロダクションの教科書
Unreal Engineを用いたバーチャルプロダクションに関する基礎的なことから機材のセットアップ方法などを紹介しているようです。
元々、「ダークナイト ライジング」でVFX スーパーバイザーなどを担当しているMark Sawickiさんという方とILMなどの経歴をもつJuniko Moodyさんという方の著書で、それが翻訳されたものになります。
Unreal Engine 4.27 In-Camera VFX Tutorials【チュートリアル】
In-Camera VFXを行うための一連のチュートリアルが公開されています。
全部で9本でアンリアルエンジンでインカメラ VFXを行う上で必要な機能が解説されています。
はじめてのバーチャルプロダクション~3DCG背景を使用した新しい撮影方法を知る~【講演】
バーチャルプロダクション用の背景制作をする上でのモデリングやエクスポートのポイント、アンリアルエンジンでのIn-Camera VFXのポイントなどが解説されています。
UE4を使用したバーチャルヒューマンの映像制作【講演】
immaで有名なAww Inc.がUE4でバーチャルヒューマンの映像制作を行った手法などが解説されています。
プリレンダリングと謙遜のない絵を作るには?などが述べられており、プリレンダリングからUEに移行しようとしている方におすすめです。
Creating the Dreamworld【講演】
ハイクオリティなフルCG映像をどのように作っているかが解説されています。
モーションキャプチャーや絵作り部分なども解説されており、勉強になります。
個人的にデカールを使ったプロップの汚しがとても手軽かつ、効率的で目から鱗でした。
サンプルプロジェクト
最後に映像制作で参考になるEpic Gamesが公開しているサンプルプロジェクトをご紹介します。
これらは全てEpic Games Launcherのサンプルなどからダウンロードできます。
City サンプル
UE5のリリースと同時に公開されたマトリックスデモのサンプルです。
リアルタイム用途かつ、映像作品に耐えうる品質なので、複雑ですが一番参考になるサンプルだと思います。
City サンプルについては、こちらの記事でも紹介しています。
ミーアキャット デモ
Weta Digital と Epicが共同で制作した映像です。
そのプロジェクトファイルが公開されています。
ミーアキャットのファーは、YETIで制作されており、そのMayaデータも付属しているので、インポート前のデータも見ることができます。
また、ミーアキャットのアニメーションはControl Rigを使って作成されています。
ドキュメントもあります。
Slay アニメーション サンプル
アニメーションに特化したサンプルです。
ドキュメントが結構詳しく機能についてやTipsが書かれているで、ある程度UEを使える方であれば参考になるかと思います。
インカメラ VFX 制作テスト
ミーアキャットデモと同じような感じでEpicが制作したデモ映像のサンプルプロジェクトです。
ドキュメントでは実際にこのプロジェクトを使用してIn-Caemra VFXを行う手順が解説されているので、In-Camera VFXを試したい方におすすめのサンプルです。
MetaHumans
Meta Humanのサンプルプロジェクトです。
Control Rigを使ったアニメーションでここまでできるのかと驚かされます。
また、iOSを使ってフェイシャルキャプチャができるようにセットアップされているので、それもけっこうおもしろいです。
ドキュメントも詳しく書かれているのでわかりやすく、リアルな人間を作成するのに参考になります。
Composureフレームワーク
Composureは、UE内でキーイングや実写合成などができるコンポジット機能です。
そのComposureを使用して、実写背景とCGのキャラクターを合成するサンプルプロジェクトです。
コンポジットに関しては、こちらも参考になります。
オーストラリアの自然
こちらはEpicが提供しているサンプルではありませんが、無料でダウンロードできるプロジェクトです。
オーストラリアの景色を描いた映像作品のプロジェクトの一部になります。
元々の映像作品はこちらです。
とても高品質でアセットとしても使えますし、参考にもなります。
まとめ
実際にまとめてみたら記事としては、けっこうな量になってしまいました(笑)
でも、それだけ映像制作でUnreal Engineが使われているという証拠かとも思います!
まだUE5に関する情報は多くはないですが、UE4のときの情報でも大いに役立つものが多いかと思います。
参考になれば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!
このサイトでは、Unreal EngineなどのCGに関する情報を発信しているので、ぜひその他の記事もご覧いただけますと嬉しいです!
コメント