Unreal Engine 5の新機能の中でも特に目白押しな機能の1つがLumenです。
動的なグローバルイルミネーションと反射を表現することができます。
そのため、時間のかかるライトベイクも必要なくなります。
また、デフォルトでLumenは、有効になっており、ライトを配置するだけで、その効果を発揮するので、簡単に使うことができます。
ただ、調べていくと、やはりまだアーリーアクセスだからか完全ではない部分や制約、注意点などがあることに気づきました。
そこで、今回は、公式のLumenについての動画や情報から得た、重要だなと思った注意点などを紹介します。
今後も情報は出てくるかと思うので、その都度、更新していきます。
Lumen の注意点とTips
YouTubeの公式動画やドキュメントから得た情報で、個人的に重要だなと思う注意点やTipsを紹介します。
注意点
まず、使う上での設定などの注意点をまとめます。
ソフトウェア レイトレーシング と ハードウェア レイトレーシング
Lumenには、特別なハードウェアを使用せずに使える、 ソフトウェア レイトレーシング と
レイトレーシングと同様にRTX2000以上のGPUなどの環境がある場合に使用できる、 ハードウェア レイトレーシング があります。
こちらの違いや詳細は、ドキュメントにあるので割愛しますが、 ソフトウェア レイトレーシング の方が多くの制約があります。
Static Lightを使用しない
ライトの可動性(Mobility)がStaticになっていると、そのライトは、Lumenが機能しません。
情報は、ライトマップに保存されてしまいます。
または、プロジェクト設定の Allow Static Lighting をチェックを外すことで、スタティックライトのベイクを無効にすることができます。
ベイクされたマップを使いまわすときなど、ベイク情報が残ってしまっている場合は、World Settings のForce No Precomputed Lighting にチェックを入れて、再ビルド、保存することで、ベイク情報をなくすことができます。
Emissive Meshの使用について
EmissiveもGIとして作用はしますが、ライトの代替えとしては、まだサポートしていないようです。
また、メッシュが小さく、明るいほどノイズが増えます。
そのため使用する場合は
- メッシュを大きくし、できるだけ暗くする
- 小さなメッシュとライトを一緒に使用する(=照らすなどのライトとしての機能は、ライトを使う)
他にもライトが高速で移動する場合や、Niagaraで小さなエミッシブをたくさん出すようなこともサポートしていないようです。
その場合は、間接光を無効にするのが良いとのことです。
家など壁を1つのメッシュにまとめない方が良い
Lumenを機能させるための機能の一部のSurface Cashが、メッシュがシンプルな場合にのみ動作するとのことです。
部屋などの壁が1つのメッシュにまとまっていると、Lumenが正常に動作しません。
なので、壁などは、1面ずつなどに分けたほうが良さそうです。
BP内でまとめたり、レイアウトなどはOKです。
また、これは、将来的には、改善されるそうです。
メッシュを重ねすぎると負荷が上がる
ハードウェアレイトレーシングの場合は、メッシュを重ねすぎると負荷が上がります。
岩などの自然系のシーンを作成する場合に、メッシュをコピーして、ぶっさすことが多いですが、ハードウェアレイトレーシングを使用する場合は、それは控えたほうが良さそうです。
また、メッシュを4倍以上スケーリングすると、アーティファクトが出る場合があるそうです。
Tips
Lumenを使用するうえでクオリティやアーティファクトを回避するためのTipsを紹介します。
Proxy Triangle Percent の調整
ハードウェア レイトレーシング では、Naniteでメッシュが単純化されすぎて、クラックがでる場合があるようです。
その場合は、 スタティックメッシュのNanite Settingsの Proxy Triangle Percent を2~4程度、上げると改善するようです。
こちらは、車のボディのような薄いメッシュの時に主に起こるようです。
レイトレーシングリフレクションとの比較
ポストプロセスで反射のクオリティを上げることができます。
その数値を「4」にすることで、レイトレーシングの反射と同等になり、比較するのに値するようです。
4にすると、サーフェイスキャッシュではなく、ヒットポイントでのライトを評価するようです。
また、Lumenの反射とレイトレーシングの反射で以下の違いがあります。
それぞれで対応しているもの、対応していないものが異なります。
例えば、レイトレーシング反射に、ライトマップのGIも含まれますが、Lumenの反射には、現状、含まれません。
また、将来的には、レイトレーシングの反射は非推奨になり、Lumenに統合されていくようです。
間接光を明るくするには、Basecolorの値を上げる
影になっている間接光部分が暗いときは、Basecolorの値を上げる(明るくする)ことで、間接光部分も明るくなります。
ただし、1の場合は、100%反射するため、現実にはない数値で、白っぽくなってしまうようです。
また、Sky LightのIntensityを上げることでも、間接光は明るくなります。
実際に、古代の谷のサンプルでも Sky LightのIntensityをあげていました。
さいごに
今回は、Lumenに関する情報をまとめました。
気を付けるべきことやTipsを知っておくことで、クオリティにも繋がってくるかと思います!
今後も情報が出てくると思いますし、5.0がリリースされる際にも変わってきそうなので、その都度、更新できたらと思います。
このブログでは、UE5の一通り使い方を紹介しています。
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