2024年3月にUnreal Engine の価格変更について発表されました。
そして、4月24日の5.4リリースに伴い価格が変更され、条件により有料に
今までは(ロイヤリティを除き)ゲームでもゲーム以外でも無料で使用できましたが、5.4以降は、一部、有料になっています。
この記事では、発表された新しいライセンスの詳細をまとめ、有料の条件等をご紹介します!
詳しく解説していきます。
有料化の対象範囲
元々昨年にニューオーリンズで行われたアンリアルフェスにて有料化されることが発表され、詳細は不明でした。
その詳細が3月に発表され、4月下旬からライセンス料金が変更されました。
ゲーム開発での利用は今までと変わらず無料で使用できます。
ゲームのライセンスは、ゲームの収益が100万ドルを超えたらロイヤリティ(5%)が発生するという仕組みで、それに変更はありません。
有料化の対象となるのは、ゲーム以外で使用する場合です。
かつUE5.4以降のバージョンを使用する場合です。
例えば、映像制作、建築ビジュアライゼーション、製品コンフィギュレーター、XRなどインタラクティブコンテンツ開発、テーマパークのアトラクションの開発などが対象となります。
上記のコンテンツ開発をする企業が5.4以降を使用する場合かつ、その企業の1年間の収益が100万米ドルを超えている場合は、サブスクリプションを契約する必要があります。
年間の収益が100万ドル未満の企業や学生、ホビーユース、教育機関は今までと同じように無料で使用できます。
年間収益が100万ドル以上でも5.3より前のバージョンは無料で使用できます。
また、ゲームのようなUnreal Engineのコードに依存するアプリケーション/ ソフトウェアを開発して販売する場合は、ゲームと同じで収益が100万米ドルを越えたら、5%のロイヤリティを支払う必要があります。
また別でプラグインの開発においても、シートの購入は必要ありません。
サブスクリプションの価格や内容
サブスクリプションの価格は1,850ドル/年間/1シートとなります。
この1,850ドルのサブスクリプションにはUnreal Engineに加えて、TwinmotionとReality Captureというソフトも含まれています。
最新を含むどのバージョンのUnreal Engineも使用できます。
Twinmotion はビジュアライゼーション向けのソフトウェアで、よりUnreal Engineを簡単にしたようなものです。
Reality Captureは、写真をベースに3Dモデルを生成できるフォトグラメトリのソフトです。
この2つのソフトは別途、有料で単体販売もされています。
今後、この2つのソフトを単体で別途購入する場合は、Twinmotionは単体で445ドル/年、Reality Captureは単体で1,250ドル/年です。
そうすると、単純計算でUEは実質155ドル/年でしょうか?笑
何はともあれ、それらのソフトが付いてくるのは嬉しいですね!
また、これらのソフトは将来的にUnreal Engineに統合されるようです。
Epic Gamesからの直接サポート(Epic Direct Support)を受けたい場合は、別途1,500ドル/年/シートの契約が必要になります。
ただし、10シートがミニマムの契約数となっています。
1,500ドルというのは以前から同じでしたが、10シートからというのは、ちょっと高いですね…。
また、ライセンスは組織で管理することができます。
会社(組織)で複数ライセンス購入した場合は、組織内のライセンスをデベロッパー ポータルで誰に割り当てるかを管理者がきめることができます。
また、30日間の体験版も登場しました。
TwinmotionとReality Captureの料金変更
上記でも少し触れましたが、Twinmotion と Reality Captureも料金が変更されます。
Twinmotionは商用利用の場合は、買い切りで¥109,000でした。
4月24日からは、年間100万ドル未満の収益の会社や学生、教育機関、ホビーユースは、商用利用含め無料で利用できるようになります!
年間100万米ドル以上の収益の会社は、445ドル/年/シートの購入が必要となります。
買い切りではなくなり、サブスクリプションになりましたが、無料で使用できる人も増えたので、人によっては改善とも言えます。
Twinmotionには関しては、詳しくはこちらで解説しています。
購入したTwinmotionにはTwinmotion Cloudが含まれていますが、無料のTwinmotionには含まれていないようです。
フォトグラメトリのソフトであるReality Captureは、ポイント制のPPIライセンスと買い切りの$3,750ドルの2パターンがありました。
こちらも4月からは年間100万米ドル未満の収益の会社や学生、教育機関、ホビーユースは、商用利用含め無料で利用できるようになります!
年間100万ドル未満の収益の会社は、1,250ドル/年/シートとなります。
今までは学生も趣味での使用でも有料だったので、Reality Captureの価格に関しては、かなり改善されたと言えるでしょう!
既に無料で提供されているスマホで利用できるReality ScanというアプリもEpic Gamesが提供しています。
こちらで詳しく解説しています。
Unreal ライセンスの購入方法
Unreal Engineのライセンス/サブスクリプションは、こちらのサイトから購入することができます。
年間収益が100万ドル未満の場合や個人、学生、教育機関、ホビーユースは、一番上の無料の「今すぐダウンロード」をクリックして、エピックゲームズランチャーをダウンロードし、購入などの手続きなしに、そのまま使用することができます。
詳しいインストール方法や始め方は、こちらで解説しています。
ノンゲームでの利用で年間収益が100万ドル以上かつ、UE5.4以降を使用したい場合は、右側のシートベースからライセンスを購入します。
シート数(何人分か)を確認し、「シートを購入」を選択します。
30日間のトライアルライセンスもこちらから取得できます。
初回は組織を設定する必要があります。
組織名は、会社名などに設定しておくと良いでしょう。
組織を設定することが組織内でのライセンス管理ができます。
規約に同意などをし、購入に進んで行きます。
まとめ
ライセンスの購入が必要となるのは下記の3つ全てに当てはまる場合です
- UE5.4以降を使用したい
- 年間総収益が 100万米ドルを超える会社
- 映像制作、建築ビジュアライゼーション、製品コンフィギュレーター、XRなどインタラクティブコンテンツ開発、テーマパークのアトラクションなどでのゲーム、プラグイン、有料販売するソフトウェアの開発以外※1
※1 Unreal Engineのコードに依存するアプリケーションを開発はサブスクではなく、ロイヤリティの対象
有料化に関してまとめると
- UE5.4のリリースから有料化が開始
- 有料化の対象となるのは、ノンゲーム(詳細は上記に記載)
- 教育機関や学生、ホビーでは無料で使用できる
- UE5.3以下のバージョンは無料で使用できる
- 価格は1,850ドル/1年間/1シート
- 1,850ドルのサブスクリプションには、Unreal Engine、Twinmotion、Reality Captureが含まれる
- エピックからのサポートは1,500ドル/1年間/1シート
- 体験版もあり
というような内容です。
TwinmotionやReality Captureの無料化を含めると年間総収益が100万米ドルを超える会社以外には朗報
年間総収益が100万米ドルを超える会社は悲報と言えるかもしれません。
この変更の理由としては、Unreal Engineを長期的に開発できるようにし、大企業、小規模スタジオ、個人、そして、あらゆる業界に最高かつ最先端のクリエイター ツールを提供し続けることができるようにするためとのことです。
できるだけ多くの人々、特に始めたばかりの人々にツールを無料で提供し続けることが目標とも言っています。
企業によっては影響が大きいかもしれませんが、この変更によって、より進化していって良いツールを提供してもらえるのは良いですね!
進化が止まっているソフトもありますから…笑
最後までご覧いただき、ありがとうございました!
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